まいにちチェルシー

イングランド・プレミアリーグに所属するチェルシー(CHELSEA FC)の試合の感想と分析

カラバオ杯決勝 vs マンチェスター・シティ

f:id:Chelsea66:20190311152136j:plain


カラバオ杯決勝 vs マンチェスター・シティ
2019.2.24(日) 25:30 ウェンブリースタジアム

 

 

1. 試合結果と感想

 

f:id:Chelsea66:20190227021259j:plain

 

 

大健闘じゃね?
1週間前に同じ相手に0-6で負けたとは思えない。もはや違うチーム。
前回の対戦は発展途上のサッリ流がグアルディオラ体制3年目のシティに袋叩きに遭うR-18ものの大惨劇だったが、今回はポゼッションを捨ててカウンター狙いプレミアリーグ第16節でシティに初黒星を付けたときと同じ戦術を採用した。
いやあ、身の程を弁えるって本当に大事。
正直なところ「エディハドでも守っとけば良かったじゃん」とは思うが、手の内を明かさない策略なのか、相手を油断させたかったのか。
結果としてPK戦の末に敗れたが、よく戦ったよ、お前ら。Well done, Guys!
相手に多くの決定機を作らさせず、カウンターから決定機も演出し、11-12シーズンにバルセロナを破った試合を彷彿させた。
しかし、スコアレスとはいえシティの実力が一枚も二枚も上なのは事実。補強禁止やサッリ解任など不穏な噂はあるが、CL出場圏内およびEL優勝を目指して頑張って欲しい。

 

2. フォーメーション

f:id:Chelsea66:20190225221902p:plain

フォーメーション

ベンチメンバー

 13 カバジェロ
 27 クリステンセン
 12 ロフタス・チーク(後半44分 バークリーと交代)
 17 コヴァチッチ
 20 ハドソン・オドイ(後半34分 ペドロと交代)
 9 イグアイン(延長前半5分 ウィリアンと交代)
 18 ジルー

 

表記上は4-3-3だが、実際は前線にアザールだけを残した4-5-1。ウィリアンとペドロは中盤のラインまで下がって守備に追われていた。
左SBにはエメルソンを起用。正確なクロスが武器のアロンソはターゲットがいないのでお休み。良い判断。
ベンチメンバーを見るとイグアインとジルーが共存。追い込まれたら力でゴリ押しするつもりだったのだろうか。 てかSBが怪我したらどうすんねん。

 

3. 試合データ

f:id:Chelsea66:20190227022231p:plain

 

f:id:Chelsea66:20190227020534p:plain

チェルシー)   ヒートマップ    (マンC)

 

f:id:Chelsea66:20190227021818p:plain

チェルシー)  平均ポジション   (マンC) 

 

4. 分析と展望

 

決定機の数チェルシーの方が多いという謎現象。どうしたシティ。
一つは後半22分、カウンターから抜け出したアザールのラストパスに走り込んできたカンテが合わせたシーン。もう一方は中央でオタメンディをかわしたアザールがゴール右前でフリーだったペドロに渡したシーンだろう。
両方とも惜しかったのだが得点には至らなかった。個人的に問題視するのは、前者の場面でゴール前に詰めていた選手がカンテしかいなかったこと(少し遅れてペドロも走り込んできた)。確かに距離の長いスルーパスだったが、1トップのアザールがサイドに流れたとき中央ががら空きになるので、カウンターを得点に結びつけるためには

・ゴール前に2人

アザールのサポートに1人

ペナルティエリア外でこぼれ球を狙う1人

は欲しいところ。決定機そのものが少なかっただけに、ここぞというときではリスクを負って人数をかけても良かったのでは。

 

攻撃はさておき、チェルシー守備面で素晴らしかった。
決定機を作らせなかったのはもちろんのこと、前回の対戦に比べて枠内シュートを1/3に抑えている。しかも今回は延長戦も含めて120分だ。鉄壁の守備と言って良いだろう。
さらにヒートマップに注目するとシティがチェルシー相手に苦しんでいたことがよくわかる。シティのヒートマップからコの字型にボールを動かしていることが確かめられる。これはチェルシーが中央を固めていて、シティがいわゆる外回りでしかパスを回せなかったということだ。プレミア最多得点記録を持つシティでさえも中央を固められたらなす術がないのだろう。
参考に前回のヒートマップを載せておく。左がシティ、右がチェルシーである。

f:id:Chelsea66:20190227024515p:plain

 (マンC) 前回のヒートマップ  (チェルシー

少なくともコの字型ではないので、満遍なくパスを回されていた(泣)

 

しかし、シュート数やポゼッション、特に平均ポジションからもわかる通り試合を優位に進めたのはシティチェルシー相手にパス成功率89%など、グアルディオラの哲学が浸透していることを実感する。グアルディオラ将軍万歳。
スコア上は0-0だが実力的には0-2くらいの差を感じた。それでもPK戦まで持ちこたえたのはラポルトの負傷交代のおかげ。前回は彼にことごとく縦パスを入れられ、我がチェルシーはレイプされた。グアルディオラシティの頭脳ならば、ラポルトシティのち〇こといったところ。実際にラポルトが下がった後半からチェルシーのポゼッションが上がっている。生殖器を失ったシティの今後が非常に心配だ。

 

最後にPK戦について話しておこう。
ジョルジーニョ、お前はもう跳ぶな。バレてるから。

 

5. ケパ交代拒否問題について

 

ニュースで大袈裟に取り上げられているが、論点は
サッリがカバジェロをPK要員として投入したかったのかどうか
に尽きる。怪我が原因で交代させたかったのなら、その必要はなかっただけの話。
サッリは「誤解があった」と言っているが実際のところ真偽は不明。
個人的にはカバジェロはPKストッパーとして交代する予定だったのではないかと睨んでいる。
ただ、普段のゴールマウスはケパが守るべきだろう。W杯の醜態を忘れてはいないぞ、おじいちゃん。